あなたを『ニンジャバットマン』へといざなう6つのポイント

――あなたのための作品で、5億点だ

あなたを『ニンジャバットマン』へといざなう6つのポイント
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ついに公開された全エンタメファン待望の映画、『ニンジャバットマン』。DCコミックスの超絶人気ヒーローであるバットマンを戦国の世へタイムスリップさせて第六天魔王ジョーカーと戦わせるという、かなり異色の作品である。

すでに熱心なファンは公開直後の週末に本作を鑑賞、熱い感想をTwitterなどに書きなぐっているのだが、タイミングが悪かったり、ちょっと気になるけど……という感じだったりで、まだまだ観てない方も多いのだと思う。

というわけで今回は、未だ本作を鑑賞していない諸君らに向けて、本作の核心の部分を抜きにしたオススメをやっていこうと思う。この記事でひとりでも多くの人間が劇場へ足を運んでくれれば幸いである。それではやっていこう。

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1. 完璧なアニメーション

 

本作のアニメーションを担当しているのは監督の水崎淳平率いる神風動画。TVアニメ『ガッチャマン クラウズ』や『ジョジョの奇妙な冒険』のOPアニメなどの、インパクトのあるド迫力な映像を多数制作しているこのスタジオ。本作は彼らにとっての初めての長編アニメーション作品ということだが、本作でも彼らの実力はいかんなく発揮されている。

ダイナミックなカメラワークとド派手なエフェクトにより所謂3DCG臭さのようなものは全く感じさせないようになっており、3DCGの滑らかさ・正確さと、手描きアニメのようなケレン味を完璧に両立させているアニメーションは本当に見事としか言いようのなく、あっぱれである。

そんな最高のアニメーションでグリグリと動き回るバットマンやジョーカーのアクションはまさに圧巻の一言。この神風動画の素晴らしい動画を鑑賞するだけでも劇場に足を運ぶ価値はあるだろう。いわゆる作画・動画おたくであるのならば尚更だ。彼らの素晴らしい仕事、ぜひスクリーンの大画面で体験してほしい。

2. 完璧なキャラクターデザイン

 

岡崎能士によるキャラクターデザインは完全に成功している。ニンジャバットマンや第六天魔王ジョーカーなどのメインキャラクターはもちろん、ロビン組、スモウトリ・ベイン、独眼竜デスストローク、どのキャラクターもそれぞれの特徴をうまくとらえた、大胆ながらも丁寧なデザインがなされており、クールなアレンジがされた彼らが神風動画の最高のアニメーションによってド派手にアクションしているのを見るだけでバットマンファンの心は多幸感に包まれてしまうはずだ。

特に虚無僧風のアレンジがされているレッドフードはこの上なくクールである。彼の出番はそう多くないものの、一度目にするだけで強烈な印象が残るほどのカッコよさで、彼のことをよく知らない人間であっても思わずファンになってしまうだろう。

物語の序盤で見ることができる現代装備バットマンのデザインもかなり熱い。青く光るスーツとビークルは最高にクールで、こちらがメインの作品も観てみたいと思わせてくれるようなカッコよさがある。

3. 完璧に狂った脚本

 
アホによるアホのための、パワーのある完璧な脚本

アニメファンにとって中島かずきといえば『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』の人だろう。どちらかといえば全体の整合性だとかよりも刹那の気持ちよさに重きを重視したような、スピーディで勢いのある脚本が持ち味の脚本家である。彼のそんな持ち味が大爆発しているのが本作のストーリーだ。

本作に期待を寄せているファンたちは公開されているトレーラーなどを見て、「こうやって彼らは江戸にタイムスリップして、こんな経緯でジョーカーとバットマンが戦って、結末はこんな感じだろうか……」というふうに、ある程度ストーリーに当たりをつけて本作の鑑賞に挑むのだと思う。

そんな諸君らの予想は全て中島かずきの脚本によってブチ壊されることとなる。

導入は1分で終わり、諸君らの予想している展開は上映開始30分ほどまでで全て回収され、クライマックスでしか許されないような展開がこれでもかと繰り返され、最後は完璧なラストカットでスパッと終わる。

85分という短めの上映時間の中に通常の映画5本ぶんくらいの展開が詰め込まれており、テンポを乱すヒューマンドラマやラブロマンスは皆無、徹頭徹尾、エンタメアクションの原液が津波となって我々に襲いかかってくる。

俺たちはカッコいい奴らがカッコいいことをするのが見たいんだ!という、作り手の強い意思をバシバシと感じる、アホによるアホのための、パワーのある完璧な脚本である。見る人間によっては荒唐無稽としか思えないだろう展開の連続はまさしく安全バーのないジェットコースターのようだ。あなたは最後まで振り切られずにいられるだろうか。

4. オタクのツボを巧みに突く演出

本作のいたるところに、古今東西・様々なジャンルの作品を意識したと思われる熱い演出を見ることができる。過去の名作エンタメを山程吸収してきた人間にしか作れない、「わかってる」感のある最高のシーンが洪水のように押し寄せてくるのだ。

所謂「ニチアサ」まんまの演出だったり、熱血ロボットアニメのような演出であったり。どれも本当に素晴らしいクールなものである。

中でも特徴的なのがキャラクターの止め絵とともに出てくる文字の演出だろう。戦国めいたダイナミック毛筆と共にキャラが決めポーズをとる演出は本当にブチ上がる。実際ぼく自身は上映中ずっとガッツポーズだった。カッコいいキャラがカッコいいことをしてカッコいい止め絵でバシッと決める。これぞ燃えの原風景だ。

過去の名作の熱いスピリットを完全に受け継いだ演出の数々。あなたがサブカルチャーを愛好するホットなオタクであるのならばきっと魂を揺さぶられること間違いなしである。

5. カッコいい日本

日本文化のカッコよさを我々に思い出させてくれる、最高のジャパニーズ映画だ。

諸君らのなかに、本作は所謂「勘違いジャパン」の作品なのではないか?と思っている方がいるのではないだろうか?ネオンのひらがな看板、空を飛ぶ暗黒企業のツェッペリン、とんちきニンジャ装束……そんな感じのガイジン受けを狙った、「これオモチロイでしょ?」みたいな二番煎じの陳腐な映画なんでしょ?

……もしもあなたがそう疑っているのなら、今すぐその考えを改めるべきだ。なぜならそれは完全に間違いであるからだ。そう。『ニンジャバットマン』は日本のクリエイターによる、日本のオタクのための、純日本的な、超ジャパニーズ作品なのである。

カッコいいニンジャ……カッコいいお城……カッコいいアートスタイル……。本作には、日本の文化を愛する日本のトップクリエイターたちによる「カッコいい日本」観がふんだんに散りばめられている。それらは決してトンチキ日本要素などではなく、日本のオタクの魂を震わせる、大和魂エッセンスの数々である。

本作は、日本文化のカッコよさを我々に思い出させてくれる、最高のジャパニーズ映画だ。クールジャパン、というのはこのような作品にこそ与えられる言葉だろう。

6. おまえのための映画だ

5億点である。

本作は基本的に猿でも理解できるサッパリとした純アクションムービーであるのだが、実はこの映画、そんな言葉で表現しきれる程に甘くない。そう。『ニンジャバットマン』は万人受けなんて言葉からは最も遠いところに存在する、相当にピーキーな作品なのである。

アニメーションやキャラクターデザインは100人いれば100人が素晴らしいと素直に称賛できるものであるが、先に書いたように、中島かずきの脚本は完全に狂っている。おそらく多くの人間がその狂気に振り落とされ、これは荒唐無稽でありえない、幼稚園児のような脚本である、脚本さえなければ最高だった、などと怒り狂うだろう。

しかしあなたは違う。あなたというのは、「ニンジャで……バットマンで……中島かずきだって?おれのための映画だ!」と思っているそこのあなたのことである。

あなたはクリエイターたちを完全に信頼しているし、クリエイターたちもあなたを完全に信頼している。その信頼が完璧につながった瞬間、『ニンジャバットマン』は真のエンタメをあなたに提供してくれる唯一無二の作品となる。あなたとニンジャバットマンは中島かずきらによる狂ったジェットコースターに乗り、空高く昇り、雲を破り、エンタメの宇宙へと突き抜けるのだ。もうそうなったら勝ちだ。10/10のマスターピースなんて甘っちょろい。5億点である。

大丈夫だ。あなたならきっと問題はないはずだ。乗り込もう、そして見よう、5億点の宇宙を。


この記事を読んで何か感じるものがあったのならば、今すぐ劇場に駆け込み、ニンジャバットマン世界を体験するべきだ。よっぽどのことがない限りYoutubeに公開されている本編映像なども見てはいけない。まっさらな気持ちで望んでほしい。さぁ行くのだ!ニンジャバットマンはあなたを待っている!

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